本の整理をしていると、学生時代のものがいくつか出てきました。

 「学生の手帳」は学生生活全般にわたるガイドブックでしたが、ぼくは図書館と語学講座のページしか見ていなかったようです。

 語学講座のページをめくっていくと、アイヌ語とデンマーク語に鉛筆でマルがしてありました。当時興味があった語学だと思います。アイヌ語は募集人員に達しており、デンマーク語には手を出すことができませんでした。

 その頃の自分が懐かしいです。

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 手帳の表紙はおおば比呂司さんのイラスト。ぼくも絵本の仕事で原画に触れたことのある画家です。

 話しは飛びますが

 2023年9月27日に、NHKの「プロフェッショナルの流儀~ふたりのキネマ」を観ました。山田洋次さん92歳、吉永小百合さん78歳の映画作成のドキュメントです。

 ぼくは、山田洋次監督の『男はつらいよ』シリーズもよく観ましたが、『学校』シリーズが好きでした。

 学生時代に、大隈講堂で講演を聴いたこともありました。

 吉永小百合さんの出演作品では、NHKの『夢千代日記』が深く印象に残っています。

 この「プロフェッショナル」を観ながら、「学生の手帳」の表紙にあった立ち食いのおそば屋さんでのできごとを思い出しました。

 吉永小百合さんは、早稲田大学第二文部の西洋史学専攻。在学中に、このおそば屋さんを利用していたようです。

 文学部へ向かう角にあり、入りやすいお店でした。

 このお店には、タモリさん(小百合さんと同じ78歳)も来ていたようです。

 第二文学部の1限目の始まりは午後5時25分と早く、ぼくもこのお店でそばを食べることがよくありました。

 ぼくは、東西線の隣の駅神楽坂にあった、ある出版社の文庫の倉庫で働いていました。

 本屋さんからの注文に合わせ、文庫本を探し結束していく仕事でした。現在のアマゾンの自動倉庫を人が担っていた時代でした。

 ある日、そのお店でそばを急いで食べていると・・・

 おそばやの店長が、別のお客さんに話している話が耳に入ってきました。

 〝小百合さんがここに食べに来たことをタモリに話すと、「ぜひ小百合さんが使った割り箸をとっておいて」と笑って言っていたよ。小百合さんの大ファンだそうだよ。タモリは本当におもしろい人だね。〟

 ぼくは下を向きクスクス笑いながら、話の続きを聞きたいとゆっくりゆっくりと食べていました。

 そして授業に遅刻しました。懐かしい思い出です。(2023年10月)