ある時、平野武利さんが道路を指さし、「チカシマさん、これなんだか知っていますか」と聞かれたことがありました。
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道路には、揺れ動く木漏れ日がありました。咄嗟に「きれいです」と応えると、「この円い光は太陽そのもです」と教えてくれました。円い光は、木の葉と木の葉の小さな間隙を通り、地面に結像する太陽でした。針穴写真（ピンホールカメラ）です。
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平野さんからは「なんだろう」をずっと持ち続けていく大切さを教わりました。好奇心の原点です。初夏、木漏れ日を見ると、平野さんのことを思い出します。（2022年5月）