坂本さんがご自身が好きだった二篇の詩です。イメージ(映像)が浮かんでくる詩です。
「消えた奴」は、三共のリゲインのコマーシャル「24時間働けますか」に出てくる猛烈社員が疲れ果てて脱け殻のようになった時のようにも、また職場に馴染めずに出社を迷っている電車の中のようにも、さらにはパワハラで会社から逃げ出したい時のようにも、その他にもいろいろなイメージが浮かんできます。読んだ人の心を映し出す詩になっています。
「手話」は、坂本さんが参加していた詩サークルを見ていらした作家の〈評〉にもありますが、「ゆれている 花が見える」が印象深いです。揺れる都電の中で、詩の余韻が震えているようです。
小野千世さん文章教室でも、一緒に文章を学ぶ皆さんにも喜ばれた詩となりました。
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『レタッチ技術手帖』が読まれ始めると、印刷会社や製版会社に、70歳を過ぎてからはフォトグラファーの勉強会に、講師として呼ばれることが多くなりました。そこでも、必ず話していたのが「イメージできなければ、マネージはできない」「イメージの共有」でした。これは、坂本さんの大切に考えていたテーマで、詩にも表れていると思います。(2022年2月)