多川精一さんの親友に植物写真家の冨成忠夫さんがいます。
寒さが一段と増す2月のこの時期に、冨成さんの写真(お弟子さんの茂木透さんとの合作)と、すてきな絵本をたくさん描いている長新太さんのユーモアのある文で作られた『ふゆめがっしょうだん』(福音館書店の「かがくのとも」シリーズ202号・1986年刊)を、本棚から出して眺めるのがぼくの節分行事になっています。芽の声が聞こえて来ます。
この時期は寒さの底に入りますが、日差しにこれから来る春を感じることもできます。その日差しの下で、この冬の芽たちを眺めるのは楽しい時間です。
ぼくの父は、この時期の豆まきを大切にしています。この絵本の芽を見ていますと豆と重なってきます。
付録の左下の、笑顔の冨成さんは画家でもありました。先日、多川さんから頂いた資料を整理している時、冨成さんが描いた多川さんのスケッチが出てきました。
多川さんの安心したお顔から、お二人の信頼関係を窺うことができます。(2022年2月3日)