現代美術社の教科書は、堅牢な製本のためどれも重いです。採択は決して多くありませんでしたが、この教科書を使った高校生もこの〝重さ〟を実感していたのではないでしょうか。鞄は重くても、その重さが美術が好きな高校生の勲章だったように思います。
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生徒に問いかけるような目次。真剣に美術を学ぼうとする生徒は、この目次を見て〝にやり〟としたかもしれません。
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「自然から学ぶ 1」の32ページ〈作家の影響を恐れない〉、 「自然から学ぶ 2」 の26ページ〈制作と受験〉を見ていきます。
『午後の室内』を描いた高校3年生の秋山一郎くんは、絵とともに言葉も載っています。「靉光のような強烈な表現ができなくてじだんだを踏む。…」
このページを読んで、気持ちがゾクゾクした生徒もいたと思います。
気迫に押されてしまうかもしれませんが、秋山くんに会いたいと思いました。そのようなことを考えてしまう教科書でした。(2022年9月)