朝日新聞に挟まっていた多摩地方のタウン紙『asacoco』で、国立ハンセン病資料館で「ハンセン病文学の新生面」展が開催されていることを知りました。 国立ハンセン病資料館 は、『生きるって、楽しくって』の本作りの際にも訪問し、またそれ以外にも父を連れて行ったり、家内のお母様と兄弟と一緒に行った場所でした。現代史の陰の部分を照らす、貴重な施設と思っています。

 桜が咲いている日に訪れました。

時々雨の降る日でした

本文279ページと読みでのある詩集
asacocoの記事

 「asacoco」のデザインは、無料でいただいた『いのちの芽』と同じカラーデザインでした。それが不思議とうれしかったです。仕事で培った色に対する感性や、色に対する敏感なところはまだまだ大丈夫と思うことができました。

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 不覚にも、その後まもなく入院することになってしまいました。薬剤による間質性肺炎。この桜が、今年一番印象に残った桜になりました。

展示会では6種類の講演会がありましたが
どれも満員となっていました
多くの人が目を向けられていました

 この『いのちの芽』は入院中のべッドの上で読みました。学生時代に読んだ北条民雄さんの『いのちの初夜』はひたすら自分の心の内に向かう、自分の心の中に希望を見出そうとする本。学生時代から、幾度となく繰り返し読んだ本でした。

 『いのちの芽』は、『いのちの初夜』の延長上の詩もありますが、一方で自分の外に目を向けた詩が多くあります。外に明るさを求めている詩は、入院中の自分にはとても励みになり一気に読みました。

 現在は、コロナという時代を経てきたことで、閉鎖された空間に対する共感が次第にできつつあるのかもしれません。

 多くの人に読んでもらいたい詩集です。(2023年4月)

桜の奥には菜の花も