ネットオークションに、赤坂三好さんのイラストが出品されていました。絵本の製版をしていた頃は、時々原画が入稿することがありましたが、今になって小さなイラストでも良いのでミヨシさんの筆致を見たくなり、オークションに参加してみました。ある児童書のカットのようでした。
無事落札。下のスライドがそのイラストです。
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エアーブラシとホワイトを使っています。ホワイトは消すためではなく、イラストそのものに質感を持たせるためにも使われているようです。
赤坂三好さんの友人みやこうせいさんから、赤坂さんは琳派の家系とお聞きしていました。琳派の尾形光琳の「風神雷神図屏風」、「燕子花(かきつばた)図屏風」(ともにリンク先は文化庁の文化遺産オンラインです)と、共に国の文化遺産がありますが、この小さなイラストを見ていても絵の枠の外に絵が広がっていくように感じることができました。琳派と三好さんを無理に結び付けて書いているようですが、三好さんのイラストにも琳派の血は流れているのではないでしょうか。
絵をトリミングすることで、絵の枠の外にイメージを広げているのかもしれません(自分でも想像し過ぎと思いますが)。
またこのような小さな絵にも、マチエールを追求する画家の執念を感じ取ることができました。
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鈴木義治さんの挿絵の原画を見ていても、同じことを感じることがあります。
いつか赤坂三好さんの回顧展が実現することを夢見ています。(2023年4月)