東村山にあるハンセン病資料館の図書館を時々利用するようになりました。

 児童書コーナーの一角に、オスカー・ワイルドの「星の子」の絵本がいつも目に付き、気になっていました。なぜここにあるのだろう、借りてみることにしました。

 読んでみると絵本の文中には、今は使われない「癩(らい)病やみ」という言葉が使われていました。

 オスカー・ワイルドは「幸福な王子」が広く知られており、何冊も絵本にされています。しかし、この物語が絵本になったのは初めてかもしれません。

 ページを開いていくたびに変化する、黄色と青紫の対比(「補色関係」武蔵野美術大学の用語集にリンクします)がたいへん美しい絵本です。

 また左側にある文字ページの飾り絵も、内容に合わせて変化していきます。それを見ていくのもたのしいかもしれません。

 星の子

 文:ジェニファー・ウェストウッド(英)

 絵:フィオレ・フレンチ(英)

 訳:矢川澄子

 発行:ほるぷ出版(1981年)

 絵を描いたフィオレ・フレンチは、大学で絵本作家チャールズ・キーピングの教室に学んでいます。

 

 美しい絵本に出会うことができました。(2023年10月)