現在は、ロシアの話をしにくい時期ですが・・・。

 ぼくは文化は別と考えています。ぼくの中ではタルコフスキーの映画は、今も変わらず輝き続けています。

 タルコフスキーに関する本は既に何冊か出ていますが、最近出会った2冊を今回紹介します。

既存のタルコフスキーに関する著書
(ぼくが持っている本から)
イメージフォーラムの
〝タルコフスキー、好きッ!〟の表題が強く印象に

『オリジナル映画ポスターの世界』は
A4サイズの書籍

 左は『アンドレイ・タルコフスキー オリジナル映画ポスターの世界』(発行元:DU BOOS 発売元:ディスクユニオン 2022年12月29日発行)新刊です。限定1000部。宣伝用スチールを含め300点以上の図版が掲載。

 現在も外国映画の配給事業に携わる、井上由一さんのコレクションを基にした労作。たいへんすばらしい本です。

 右は『Instant Light Tarkovsky Polaroids』(2006年、ロンドンにあるThames & Hudson社より出版 Printed in Italy)。インターネット上の古書店から購入しました。

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 『アンドレイ・タルコフスキー オリジナル映画ポスターの世界』を見て発見がありました。それは、日本のポスターの基本は写真ですが、海外のポスターの基本は絵画(イラストレーション)ということでした。

 ぼくの少年時代も映画館には上映中の映画の絵が大きく描かれており、その絵を見てワクワクしたものです。その歴史がまだ脈々と受け継がれているように思いました。

 日本のポスターは、映画のあるコマを切り取った(モンタージュ)写真が多いように思いました。

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 映画公開年は、『惑星ソラリス』(1972年)、『ストーカー』(1979年)、『ノスタルジア』(1983年)、『サクリファイス』(1986年)

 スライドで『アンドレイ・タルコフスキー オリジナル映画ポスターの世界』の数ページを紹介させてもらいます。(スライドは左右の矢印で変わります)

 フランス版『ストーカー』のイラストを描いているジャン=ミシェル・フォロンは、1934年生まれのベルギーの作家。独特の美しい水彩画を描いています。スティーブ・ジョブズもファンだったようです。2003年ベルギーのユニセフ大使に任命されましたが、2005年に白血病で亡くなっています。

 フォロン財団のホームページから、フォロンの幻想的な作品を見ることが出来ます。

画像をクリックしますと
フォロン財団のホームページに入ります

 

 ポーランド版『ノスタルジア』のイラストを描いているはスタシス・エイドリゲヴィチウス、1949年生まれのリトアニア出身の作家。絵本も数多く描いています。今回は2019年の秋に武蔵野美術大学美術館で開催された『スタシス・エイドリゲヴィチウス:イメージー記憶の表象』のホームページを紹介させていただきます。

 ぼくも行きました。展示会の最初に展示されていた、スタシスが撮ったリトアニアの人々の写真が印象に残っています。この写真がスタシスの原点と思いました。すばらしい展覧会でした。

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武蔵野美術大学のホームページに入ります

 タルコフスキーのポスターから、二人の別の作家に話題が移ってしまいましたが・・・

 イメージ豊かなこの二人に、タルコフスキーの映画ポスターを描いてもらったポスター制作者に心から拍手を送りたいと思いました。(2023年8月)