大切にしていた一冊。串田孫一さん著・画(あかね書房・1968年刊)。編集は坪田譲二さんと壷井栄さんですので、児童書に分類される本ですが、何歳でも楽しめる本です。

表紙

 読む人をつき放すような、のんきな扉の言葉がすてきです。

 おしまいは、〝こんどは、あなたの みたゆめを、ぼくに、はなしてくれる ばんです。それをたのしみに、ぼくは、へんちくりんな はなしを したのですから〟

で終わっています。

 

 夢が10話書かれています。ぼくの好きな話は6話目の「じぇこ」。

くずやのおじさん
ぼくの小さい頃には横浜で時々見かけました
背中にジッパーのあるぬいぐるみのような「じぇこ」
〝にんげんよりも ずっと りこうな どうぶつに するんだ〟
くずやのおじさんの言葉

 このような絵を描けたらとずっと思っていましたが、これがとても難しく諦めました。

 2015年11月から、地元のはけの森美術館(旧:中村研一記念館)で、「生誕百年 串田孫一展」が開催されました。

 開催:2015年11月3日~2016年1月17日

 3度行きました。

 この年の12月11日、10月から地元の桜町病院に入院していた父が死去しました。見てほしかったでした。串田さんの絵を見ていれば、「俺には真似できない絵。でも馬が合う人だな」と言ったと思います。

 父は水墨画を描いていました。父の水墨画も、いつかこのホームページに載せたいと思っています。(2023年6月)

当時のはけの森美術館のフライヤーより転用