※20秒過ぎからBGMが流れます(音楽はMusMusよりお借りしました。曲名「子供部屋の夢」)。

 2014年の6月に、ある大学の総合科目「児童文学研究」の1回限りの講師として呼ばれ、その時に使ったスライド『本に込められた思い』です。大勢の学生に少しでも残るものを伝えるためには、学生の反応を見ながらゆっくり話すのがよいと考えました。そこで浮かんだのが紙しばい屋さんでした。6つの短いストーリーを持っていきました。授業終了後、数名の学生が集まり、いろいろな質問に応えていきました。2013年との2年間行った楽しい思い出です。招いてくださった先生からは、「生き生きと仕事のことを語る姿を、ぜひ学生に見せてほしい。」と言われていました。届くことができたでしょうか。(2021年12月)

 このスライドの中で、絵草紙『偐紫田舎源氏』(にせむらさきいなかげんじ)の読む順番を説明しています。多川精一さんが『E+D+P』47号(1997年)で自由奔放なデザイン誌として紹介しています。

〝紙しばい〟

 ぼくは育った横浜の町で実際に紙しばいを見ていました。子どもでしたので、お菓子を目当てにしていることもありましたが。貸本屋さんにもよく行きました。貸本と紙芝居の中に少しずつテレビが入ってくる時代でした。

 今思うと、「紙しばい」は紙芝居の演者の大人と子どもたち双方で作り出す不思議な世界でした。また、貸本屋さんでも大人に話(おもしろい本はどれか)を聞いて本を借りていました。親以外の、大人との接点が遊びの中にたくさんあった時代でした。(2022年9月11日)