文章教室でこの言葉を使った際、小野千世さんから「皆さんにきちんと説明してもらえますか」と言われました。それは製版という言葉を使った時も同じように言われました。レタッチは、坂本恵一さんが生涯大切に考えていた仕事でした。

名前はわからないようにしています。

 「カタカナ仕事」という記事が1988年4月22日の朝日新聞に載りました。「レタッチ」には、新鮮な響きがあったのかもしれません。実際には、「製版」の仕事も同じですが、印刷の原版を作る地味な仕事であり、オモテ舞台にはほとんど出てこないため、耳にすることが少なかったように思います。

 記事の中で、求人情報誌でよく目にすると書かれていますが、広告物や雑誌を始めとするたくさんの印刷物が出始めた時代を反映していたと思います。

 「ユーチューバー」とは何者?どのように収入を得ているの?とぼくが思ってしまう現在の「カタカナ仕事」とは、働く舞台も働き方もまったく異なるものですが、感性が大切なところに共通点はあるように思っています。(2022年1月)